COLUMNピカパカ出張DXコラム
出張手当の消費税は課税?出張旅費、宿泊費、日当の仕入税額控除の取り扱いを徹底解説

「出張手当(日当)に消費税はかかるのか?」「インボイス制度で仕入税額控除はどう変わったのか?」
経理実務において、出張手当(日当)の消費税区分は非常に間違いやすいポイントの一つです。本記事では、国税庁の指針や財務省のアンケート調査に基づき、出張日当の消費税に関する正しい知識を徹底解説しますのでぜひ参考にしてみてください。
目次
出張手当(日当)の消費税は「課税・非課税?」
出張手当(日当)の消費税について、結論から言うと以下のようになります。
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・ 国内出張の出張手当(日当):「課税」
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・ 海外出張の出張手当(日当):「不課税」
消費税は「モノを買う」「サービスを受ける」といった取引にかかります。日当は通常、出張に伴う昼食代や雑費を補填するための費用という性質があるため、課税対象として扱われます。
消費税法では、課税対象となる取引は「日本国内での消費」に関係することです。海外出張時の「食事」「宿泊」「移動」は日本国外で行われる消費活動であるため、日本の消費税法は適用となりません。
| 項目 | 消費税の区分 | 仕入税額控除 |
|---|---|---|
| 国内出張の日当 | 課税(10%) | 対象(帳簿保存でOK) |
| 国内出張の宿泊費・交通費 | 課税(10%) | 対象(帳簿保存でOK) |
| 海外出張の日当・旅費 | 不課税 | 対象外 |
参考:国税庁|出張旅費、宿泊費、日当等に係る仕入税額控除の適用要件
消費税法上で認められる「通常必要な範囲」の基準
出張の日当や宿泊費を消費税の仕入税額控除対象とするためには、その金額が「通常必要と認められる範囲内」である必要があります。税務調査で消費税の否認を受けないための3つのチェックポイントです。
① 役員を含めた従業員全体の出張手当(日当)バランス
一部の従業員の日当だけが不自然に高額な場合、実質的な給与とみなされ、消費税の仕入税額控除が認められないケースがあります。
② 同業他社と比較した出張手当(日当)の相場
世間一般の相場から大きく乖離した支給は、消費税法上の「適正な支出」とみなされません。
関連記事:【詳しく解説】出張手当の相場はいくら?国内・海外の宿泊料・日当の実態を徹底解説
③ 出張実態との整合性
消費税の還付を受けるためには、そもそも出張が業務目的で行われたという実態が前提となります。
出張旅費・宿泊費・日当の仕入税額控除の取り扱い
インボイス制度下では、原則としてインボイスの保存が仕入税額控除の要件ですが、出張については実務への影響が大きいため、2つの重要な特例が存在します。特に「出張旅費等特例」は、出張に必要な費用であれば、金額の上限なく帳簿保存のみで消費税控除が認められる利便性の高い制度です。
出張経費の消費税区分と適用される特例
出張における各費用の区分と、適用すべき特例を整理しました。出張であれば、3万円以上の交通費も「出張旅費等特例」の対象となります。
| 項目 | 消費税区分 | 適用される特例と要件 |
|---|---|---|
| 出張日当(国内) | 課税 | 出張旅費等特例: 金額を問わず帳簿保存のみで控除可。 |
| 宿泊費(国内) | 課税 | 出張旅費等特例: 従業員への支給(実費・定額問わず)なら領収書不要。 |
| 鉄道・航空運賃等 (3万円以上も含む) |
課税 | 出張旅費等特例: 出張に伴う移動であれば、3万円以上でも領収書不要。 |
| 近場への交通費 (出張以外) |
課税 | 公共交通機関特例: 3万円未満に限って帳簿保存のみで控除可。 |
| 海外出張費用 | 不課税 | 仕入税額控除の対象外。 |
「出張旅費等特例」と「公共交通機関特例」の違い
インボイスの保存が免除されるルールには「出張旅費等特例」と「公共交通機関特例」の2種類がありますが、その適用範囲は明確に異なります。消費税の計算ミスを防ぐために、以下の違いを把握しておきましょう。
出張旅費等特例:出張であれば金額上限なし
出張旅費等特例は、従業員等が行う出張に対して、会社が「通常必要と認められる範囲」で支給する費用に適用されます。この特例のポイントは、新幹線代が3万円を超えていても、ホテルの宿泊費が数万円であっても、出張の一部であればインボイスの保存が不要(帳簿のみで消費税控除が可能)という点です。
参考:国税庁|インボイス制度における特例(出張旅費等特例)Q&A
公共交通機関特例:出張以外でも有効だが金額制限あり
一方、公共交通機関特例は、3万円未満の鉄道・バス・船舶などが対象です。これは出張に限らず、近場への営業移動などでも適用されますが、金額が3万円以上の場合はインボイスの保存が必須となります。出張経費については、この制限がない出張旅費等特例を優先的に適用するのが実務上のセオリーです。
「出張旅費等特例」を適用するための帳簿記載ルール
出張の日当や宿泊費、交通費において本特例を適用し、消費税の控除を受けるためには、帳簿に以下の内容を記載する必要があります。
- 「出張旅費等特例」を適用する旨(「旅費特例」等でも可)
- 仕入れの相手方の氏名または名称(支給した従業員の氏名)
- 取引年月日(精算日や支払日)
- 取引の内容(出張の日当、宿泊費など)
- 支払金額(税込額)
出張費(宿泊費・日当)の消費税計算具体例
国内出張の宿泊費や日当は、社内規程に基づき通常必要と認められる範囲内であれば、消費税の「課税仕入れ」として処理し、仕入税額控除が可能です。計算は内税として扱い、合計額を1.1で除して消費税額を算出します。
具体的な計算例(内税処理)
【前提となる精算金額】
- 宿泊費:11,000円(税込)
- 日当(出張手当):3,300円(税込)
- 合計:14,300円
【算出式】
- 消費税総額:
14,300円 × 10/110 = 1,300円 - 税抜本体価格:
14,300円 - 1,300円 = 13,000円
経理処理のポイント
会社は13,000円を費用(旅費交通費等)とし、1,300円を仮払消費税として仕入税額控除が可能です。
経費精算システムと連携できるピカパカ出張DX
出張データの管理や消費税の仕訳作業をさらに効率化するためには、経費精算システムとの連携が不可欠です。ピカパカ出張DXは、国内主要の経費精算システムと連携し、出張に関連する一連の業務を効率化します。
「楽楽精算」や「コンカー」との連携で精算作業を楽に
「楽楽精算」や「コンカー(Concur Expense)」といった主要システムとの連携により、ピカパカ出張DXで予約した新幹線・航空券・宿泊のデータを取り込むことが可能です。従業員による手入力がなくなるため、入力ミスや領収書の貼り付け作業といったアナログな工程を徹底的に排除できます。
経理の消費税確認コストを大幅カット
予約データが直接システムに流れるため、経理担当者は「その支出が国内出張(課税)か海外出張(不課税)か」といった消費税区分の判断や、出張旅費等特例の適用に必要な情報の照合作業を自動化できます。正確なデータが精算システムに反映されることで、消費税申告の信頼性も向上します。
主要経費精算システムとの連携詳細はこちら
出張手当(日当)の消費税に関するFAQ
Q. 領収書がない出張手当(日当)も消費税を差し引けますか?
はい。出張に伴う日当は、インボイスの代わりに必要事項を記載した「帳簿」を保存することで、消費税の仕入税額控除が認められます。
Q. 海外出張の日当に消費税を含めて計算してしまいました。
海外での支出および海外出張の日当は、消費税がかからない「不課税」取引です。消費税の控除対象に含めることはできませんので、区分変更が必要です。
Q. 派遣社員に対して支給する出張の日当も消費税の控除対象ですか?
はい、対象となります。出張旅費等特例は、自社の従業員だけでなく「役員、またはその事業者の業務を遂行するために直接必要な者(派遣社員等)」に支給する出張費・日当も含まれます。
Q. 出張の日当を「旅費交通費」以外の科目で処理しても消費税は引けますか?
可能です。消費税法上の判断は、勘定科目名ではなく「実態」で行われます。出張に伴い支払われる日当であれば、別の科目で処理されていたとしても、内容が実質的に出張旅費であるならば、帳簿保存のみで消費税の控除を受けられます。ただし、管理上は「旅費交通費」として区分するのが望ましいです。
Q. 日帰り出張の日当であっても消費税は課税扱いになりますか?
はい、宿泊を伴わない「日帰り出張」の日当であっても、業務遂行に通常必要と認められるものであれば消費税の課税仕入れに該当します。宿泊費がない場合でも、帳簿に「日帰り出張による日当」である旨と「出張旅費特例」を明記することで、適切に消費税の控除を行うことができます。
まとめ
出張における消費税管理のポイントは、日当を含めた各費用が「課税」か「不課税」かを正しく分類し、特例を適用するための帳簿要件を満たすことにあります。インボイス制度下では、これまで以上に出張の実態と消費税処理の整合性が求められます。システム活用などで、ミスなく効率的な消費税計算ができる体制を整えましょう。

