COLUMNピカパカ出張DXコラム
カラ出張の手口と対策を徹底解説!宿泊・新幹線の不正を防ぐ「仕組み作り」の重要性

従業員による「カラ出張」は、企業の利益を損なうだけでなく、税務リスクや社内モラルの低下を招く重大な課題です。
本記事では、現場で行われている代表的なカラ出張の不正手口を解説し、管理部門がやるべき不正ができない仕組みを作るための具体的なステップをご紹介します。
目次
「カラ出張」とは?
「カラ出張」とは、実際には出張に行っていないのに、行ったと見せかけて交通費や宿泊費を会社に請求し、お金を受け取る行為です。特に新幹線は、チケットの単価が高く、金券ショップ等での需要も高いため、「小遣い稼ぎ」のような感覚で不正が行われてしまうケースが少なくありません。
なぜカラ出張は根絶できないのでしょうか?出張先での動きは可視化しづらく、承認者である上司も多忙を理由に「内容を細かく見ずにハンコを押す」といった慣習が残っていることも、不正のハードルを下げる要因となっています。
約5割の企業が出張における不正が発生していると回答
一般社団法人日本CFO協会が287社を対象に実施した実態調査によると、出張に関連して何らかの「不正が発生した」と回答した企業は全体の約50%にのぼることが明らかになりました。不正・違反の具体的な内容については、1位が「規定を超えた航空券やホテルの利用」ですが、それに次いで「不正な架空の出張(カラ出張)」が2位となっており、多くの企業で重大なコンプライアンス上の課題となっていることが示されています。
参考リンク:出張費用マネジメントの実態調査における課題と対応策(CFO FORUM)図9参照
監修者
「うちの社員に限って…」と思われがちですが、個人の良心に頼った管理には限界があります。魔が差してしまう隙をなくすことが、管理部門の本来の役割です。
要注意!現場で行われている「カラ出張の手口」6選
管理部門が把握しておくべき、カラ出張の不正パターンを整理しました。
① 新幹線チケットの払い戻しによる「現金化」
新幹線のチケットを購入し会社に経費申請した後、こっそりキャンセルし、窓口で返金を受ける手口です。「紙のチケット」を発行してしまうと、システム上でその後の追跡が困難になるため、カラ出張不正の多くがこのパターンです。
② 存在しない「架空アポイント」
実際には訪問予定がないにもかかわらず、虚偽のスケジュールを申請。出張期間中は私用を済ませ、後日、実費だけを会社に請求するパターンです。日報の偽造もセットで行われることが多いのが特徴です。
③ 安価な移動手段への「切り替え」
特急や新幹線の料金を申請しながら、実際には自家用車や深夜バス、あるいは金券ショップの格安チケットを利用する手法です。
④ 宿泊ランクを下げて「差額」を着服
社内規定の上限ギリギリでホテルを予約しつつ、実際には知人宅や安価なホテルに泊まり、宿泊費の差額を着服する行為です。
⑤ 「金券付プラン」による私的利益
宿泊代金にQUOカードやAmazonギフト券などが含まれる「出張者還元プラン」をあえて選択。会社には宿泊費の総額を請求し、金券だけを自分のものにする手法です。
⑥ 交際費や会食代の「人数・用途」の水増し
実際には一人で食事をした、あるいは家族や友人と外食した費用を「取引先との打ち合わせ」と偽り、人数を水増しして経費計上する手口です。
カラ出張の疑いがある時の対応:調査から処分までの流れ
従業員にカラ出張の疑いが生じた際、すぐに本人を問い詰めるのは避けるべきです。不十分な証拠で追及すると、証拠隠滅を図られたり、逆に「不当な疑いをかけられた」と訴えられたりするリスクがあるからです。管理部門は以下のステップに沿って、冷静かつ客観的な事実確認を進める必要があります。
ステップ1:事実照合調査
まずは、本人が提出した領収書や出張報告書と、残っている記録を照らし合わせます。この段階では本人に気づかれないよう証拠を集めるのが良いでしょう。
- 交通系ICカードの履歴: 会社支給のカードであれば、利用履歴から移動区間や運賃に矛盾がないか確認。
- 宿泊施設への確認: 領収書の日付に実際に宿泊した事実があるか、予約経路はどうなっているかを確認。
- 訪問先へのヒアリング: 「先日の件で…」と、出張の目的に関する事務的な連絡を装い、アポイントの実態を確認。
ステップ2:本人へのヒアリングと「弁明の機会」
証拠が揃った段階で、本人との面談を実施します。いきなり「不正をしただろう」と断定するのではなく、「精算内容に不明点があるので説明してほしい」というスタンスで、本人の言い分を聞くことが重要です。これは、法的に必要な「弁明の機会の付与」としての意味も持ちます。
ステップ3:不正の深刻度に応じた「処分の検討」
不正が確定した場合、社内規定に基づき処分を決定します。カラ出張は、以下の要素を総合的に判断して処分の重さが決まります。
| 判断基準 | 内容の詳細 |
|---|---|
| 不正の期間と回数 | 一度きりの不注意か、それとも長期間にわたる計画的・継続的な犯行か。 |
| 被害金額の合計 | 着服した金額の総額。高額であるほど重い処分(懲戒解雇など)の検討が必要。 |
| 本人の反省の度合い | 不正を素直に認め、返金の意思があるか。それとも隠蔽や虚偽の説明を続けているか。 |
ステップ4:再発防止策の策定
個人の処分が終わっても、管理部門の仕事は終わりではありません。「なぜ不正が可能だったのか」という根本原因を分析し、ルールの改定や管理システムの導入など、二度と同じことが起きない「仕組み」を整える必要があります。具体的な再発防止策を講じることで、他の従業員への強い警告にもなります。
カラ出張を防ぐ!管理部門が取り組むべき「5つの防衛策」
1. 社員の「立て替え払い」を減らす
そもそも社員が自分のお金を出し、後で会社から回収する立替精算という流れがあるから不正の隙が生まれます。法人カードや会社一括精算を導入することが最も効果的です。
2. 経費精算ルールの明確化
「常識の範囲内」という曖昧な表現をやめ、「金券付きプランの禁止」「経路指定の厳格化」「領収書以外の証拠資料(活動報告)の必須化」などを旅費規程に明記し、社内に周知します。
3. デジタルツールの利用
目視によるチェックには限界があります。ICカードの読み取りツールや、乗換案内ソフトと連動した精算システムを導入し、申請された運賃が正しいかを自動判定する仕組みを整えます。
4. 社員のリテラシー教育と意識改革
「これくらいならいいだろう」という軽い気持ちが重大な犯罪につながることを、研修や社内通達で継続的に伝えます。コンプライアンス意識を高めることが、長期的な抑止力となります。
5. 外部システムによる「手配の透明化」
社員が自由に予約できる環境を改め、会社が指定する「出張管理システム」を経由させることで、手配内容をリアルタイムで管理部門が把握できるようにします。
監修者
対策は複数を組み合わせることが重要です。特に「会社一括精算」と「データ連携」の2軸を固めると、カラ出張の余地は劇的に減ります。
出張管理システム「ピカパカ出張DX」ができること
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手配内容を可視化することで、不正を防止する
社員が立替精算で行う出張手配だと、内容が可視化されない分、不正が起きやすい環境が生まれます。ピカパカ出張DXは、社員の立て替え払いなしで予約ができ、手配内容をシステムで一元管理します。上司・管理者がいつでも手配内容を把握できることで、不正を抑止させることが出来ます。
| 機能カテゴリ | 具体的な解決策 |
|---|---|
| 法人一括決済 | 支払いは会社への一括請求となるため、従業員の「立て替え」が不要に。現金が介在しないため、架空請求の余地がなくなります。 |
| 予約内容の可視化 | 「誰が・いつ・どのプランを予約したか」がリアルタイムで管理画面に反映。申請内容との相違を即座にチェック可能です。 |
| 旅費上限設定機能 | 出張検索をする際に、出張者の役職や出張規定に沿った旅費を表示することができます。 |
| 旅程の一元管理 | 新幹線、航空券、宿泊を一括で手配・管理。バラバラだった領収書の回収作業もなくなり、月次の照合作業を大幅に削減します。 |
監修者
導入企業様からは「精算の手間がなくなった」と現場からも喜ばれることが多いです。ピカパカ出張DXの強みは、管理の効率化と「従業員の利便性向上」を同時に叶えられる点にあります。

