COLUMNピカパカ出張DXコラム

出張費の勘定科目とは?旅費交通費との違い、勘定科目の仕訳例を徹底解説

2026.02.13

出張精算の際、「この費用はどの勘定科目で処理すべきか?」「日当は非課税でいいのか?」と迷うことはありませんか?出張費の多くは「旅費交通費」として処理されますが、実務では接待交際費や研修費との切り分けが必要なケースも多く、正しい知識がないと税務調査で指摘を受けるリスクがあります。本記事では、出張費の適切な勘定科目の仕分け方から、迷いやすい事例、税務上の注意点など、経理実務に必要な情報を網羅して解説します。
ピカパカ出張DXコラム執筆者中村

この記事の執筆者

編集部 中村

旅行業界歴15年以上。自身の国内、海外出張経験を生かして記事を執筆しています。旅行業務取扱管理者資格保持者。

ピカパカ出張DXコラム監修者勝間隆人

監修者

勝間 隆人 (株式会社ピカパカ 執行役員、法人DX推進事業部 部長)

出張管理(BTM)分野で20年以上の経験を持ち、累計400社以上のコスト適正化を支援してきた専門家が監修、解説します。

出張費と旅費交通費の違いとは?

出張費と旅費交通費の違いとは

「出張費」と「旅費交通費」は混同しやすい言葉ですが、その定義には明確な違いがあります。結論から言うと、旅費交通費は「勘定科目(会計上の分類)」であり、出張費は「出張に伴う費用の総称」です。

項目 出張費 旅費交通費
概要 出張に関連する支出の総称 会計上の正式な「勘定科目」
用途 社内での会話や一般的な総称 仕訳帳、決算書、確定申告に用いる

出張費の勘定科目の仕分け方法と内訳

出張費の基本的な勘定科目と仕分けと内訳

出張に関連する費用は、その目的や内容によって「旅費交通費」「接待交際費」などの科目に使い分ける必要があります。特に国内出張の多くは消費税の課税対象となるため、正確な内訳把握が重要です。

出張費の勘定科目の内訳

実務で頻出する項目を、勘定科目および消費税区分とともに表にまとめました。

項目 具体的な内容 勘定科目 消費税
移動費 新幹線・航空券・タクシー・高速代・レンタカー 旅費交通費 課税
宿泊費 ホテル代、宿泊パック料金 旅費交通費 課税
出張手当 旅費規程に基づく日当 旅費交通費 課税※
飲食費(個人) 出張中の一人での食事代 (日当で補填)
接待費 取引先との会食、手土産代 接待交際費 課税
海外旅費 海外航空券、海外での宿泊代 旅費交通費 対象外

※国内出張の日当は、通常必要と認められる範囲内であれば課税仕入れとして扱えますが、所得税(個人側)は非課税となります。

迷いやすい旅費交通費とその他の科目

以下の表を参考に、支出の「目的」に応じて適切に仕分けを行ってください。

支出のシチュエーション 正しい勘定科目 判断のポイント
出張先のカフェで打ち合わせをした際のコーヒー代 会議費 業務上の打ち合わせであれば、旅費とは区別します。
出張先で開催された展示会やセミナーの参加費 諸会費
研修費
会場への交通費は旅費ですが、入場料や参加費は教育研修費等になります。
出張中に急遽必要になった文房具や備品の購入 消耗品費 出張先であっても、物品の購入は旅費には含まれません。
取引先を空港や駅まで送迎した際のタクシー代 接待交際費 自分の移動ではなく「相手(取引先)のため」の支出は交際費です。
出張先でのインターネット利用料(Wi-Fiレンタル等) 通信費 宿泊費に含まれない別途精算の通信コストは、通信費とするのが一般的です。

仕分けを迷わないための「3つの質問」

仕分けに迷った際は、以下の3点を確認するとスムーズに判断できます。

  1. その支出は「移動」や「宿泊」に直接関わるものか?
    → NOであれば、内容に応じた科目(消耗品費、会議費等)を検討します。
  2. その支出の対象は「社外の人間」か?
    → YESであれば、基本的には「接待交際費」の可能性があります。
  3. その支出は「個人の飲食代」ではないか?
    → 業務上の会議を伴わない食事であれば、会社負担とする場合は「日当」として支給するのが税務上安全です。
監修者

監修者:勝間

 
 

タクシー代や食事代が、業務目的ではなく個人的な観光や過度な接待にあたると判断されると、経費として認められず、課税される場合があります。「いつ、誰と、何の目的で」支出したかを領収書や報告書にメモしておくと良いでしょう。

出張費は非課税になる?税務調査対策

出張費は非課税になる?税務調査対策

出張手当(日当)は、出張中に発生する細かな雑費(飲み物代、昼食代、通信費など)を補填するために支給されるもので、最大の特徴は、「会社側は全額経費にでき、社員側は非課税(手取りが増える)」という点にあります。

① 法人税の節税

全額を「旅費交通費」として損金算入できます。利益を圧縮し、法人税額を抑えることが可能です。

② 社会保険料の削減

日当は「給与」ではないため、社会保険料の算定基礎に含まれません。労使双方の負担を軽減できます。

③ 所得税の非課税

受け取る社員側も所得税・住民税がかかりません。非課税のまま「実質的な手取り」を増やせます。

税務調査で否認されないための「3つの絶対条件」

メリットが大きい反面、以下の条件を満たしていない場合は「賞与」や「給与」とみなされ、追徴課税を受けるリスクがあります。税務調査で否認されないよう、以下の3つがしっかり行われているか確認しましょう。

  • 1. 出張旅費規程が作成されていること
    規程に基づかない日当の支給は、単なる「給与」とみなされます。支給額や支給条件を明確に定めておく必要があります。
  • 2. 支給金額が「妥当」であること
    世間相場(一般社員で2,000円〜3,000円程度)を著しく超える金額(例:1日5万円など)は、実費補填を超えた「利益供与」と判断されます。
  • 3. 出張の事実を証明できること
    日当そのものに領収書は不要ですが、出張の事実(新幹線の半券、宿泊明細、出張報告書など)は必須です。「空出張」を疑われない証拠を残しましょう。

消費税の仕入税額控除について

意外と忘れがちなのが、「国内出張の日当は、課税仕入れとして扱える」という点です。帳簿上、日当を「課税」として処理することで、会社が支払う消費税額を減らすことができます。一方で、海外出張の日当は「不課税(対象外)」となるため、混同しないように設定が必要です。

監修者

監修者:勝間

 
 

インボイス制度開始後も、3万円未満の公共交通機関や、日当のように「適正な規程に基づく出張費」については、一定の帳簿記載があれば仕入税額控除が認められる特例があります。しかし、「旅費規程の不備」があると、そもそも法的な「旅費」として認められないため、まずは自社の規程が最新の法令に合致しているか確認することをおすすめします。

出張手当(日当)と宿泊費の相場

勘定科目として「旅費交通費」を計上する際、税務署から「給与(課税対象)」とみなされないためには、金額が世間相場と比較して妥当であることが重要です。ここでは、財務省が公表した最新の調査データから、民間企業の平均的な支給額を見ていきましょう。

【国内出張】日当と宿泊費の平均支給額

国内出張においては、役職に応じて2〜3段階の金額区分を設けている企業が一般的です。

役職区分 日当(平均) 宿泊費(平均上限額)
社長・役員クラス 3,786円 14,763円
管理職クラス 2,809円 11,885円
一般社員クラス 2,225円 10,845円

【海外出張】宿泊費と日当の平均支給額

海外出張の場合は、現地の物価水準に合わせて「北米・欧州」「アジア」などの地域別に上限額を変動させる企業が多く見られます。

地域区分 日当(平均) 宿泊費(平均上限額)
北米地域 7,111円 20,800円〜23,678円
アジア地域 5,811円 15,757円〜18,042円

出張費を精算するときの注意点

出張費の精算は、単にお金を支払うだけでなく、税務調査に対応する証拠を残す作業でもあります。不備があると「経費」として認められないケースもあるため、以下のポイントを必ず押さえておきましょう。

1. 出張精算の基本的な流れ

一般的な精算フローは以下の通りです。このプロセスをルール化することで、勘定科目の誤りを防ぐことができます。

  1. 1.事前申請:出張の目的、日程、見積もり費用を申請・承認。
  2. 2.経費発生:新幹線、航空券、宿泊等を利用(領収書を保管)。
  3. 3.精算申請:帰着後、領収書を添付して実際の支出を報告。
  4. 4.確認・支払:経理が科目を判断し、本人へ支払または仮払金と相殺。

2. 「領収書なし」で精算できる例外

原則として領収書は必須ですが、実務上、以下のケースでは領収書なしでも「旅費交通費」としての計上が認められることがあります。ただし、帳簿に詳細を記載する必要があります。

  • 公共交通機関の運賃(3万円未満):バスや近距離鉄道など。
  • 出張手当(日当):旅費規程に基づき支給される定額の手当。

3. インボイス制度下での対応

2023年10月以降、適格請求書(インボイス)の保存がないと、会社側で仕入税額控除を受けることができなくなりました。出張者が受け取る領収書に「登録番号」「適用税率」が正しく記載されているか確認が必要です。

特に注意が必要なポイント

  • 宿泊ポータルサイト:海外サイト等を経由するとインボイスが発行されない場合があります。
  • 宛名の記載:原則として会社名を正しく記載してもらうように周知しましょう。
監修者

監修者:勝間

 
 

出張費精算でよくある落とし穴が「仮払金の放置」です。帰着後すぐに精算を行う習慣をつけないと、決算時に「旅費交通費」への振替が間に合わなくなる可能性があります。また、最近はBTM(出張管理システム)を導入し、従業員の領収書管理の負担をゼロにする企業が急増しています。

精算業務を楽にする出張管理システム

出張旅費の精算業務において、多くの経理担当者を悩ませるのが「手入力によるミス」と「領収書の照合作業」です。これらを解決するのが、出張管理システムと既存の経理・経費精算システムとのデータ連携です。

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  • 出張予約データの管理:予約時にデータが生成され、出張費が見える化に。
  • 立替払い不要:会社一括請求により、従業員の立替が不要。経理の精算業務が軽減。
  • 規程遵守の自動化:旅費規程に沿った交通費や宿泊費を表示し、上限額を越えることを防ぐ。

まとめ

出張費の勘定科目は「旅費交通費」での処理が基本ですが、交際費等との切り分けや税務上の規定遵守が不可欠です。正しい勘定科目の知識と、システムによる効率化を組み合わせることで、経理業務の負担は劇的に軽減されます。透明性の高い精算フローを構築し、ガバナンスの強化に繋げましょう。

 

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