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出張前後に旅行や観光はOK?会社への申請・経費精算・労災まで徹底解説

2026.02.20

「出張のついでに社員がプライベートで延泊や観光をするのはいいのか?」「もし事故が起きたら?」

近年、仕事と休暇を組み合わせる「ブレジャー」が注目されています。国土交通省も推奨する新しい働き方ですが、いざ導入するとなると、管理部門にとっては「経費精算の煩雑化」や「労災適用の境界線」など、解決すべき課題があります。

本記事では、出張前後の旅行において会社が直面するリスクを整理し、管理部門の負担を増やさずに運用するための具体的な仕組み作りを解説します。

ピカパカ出張DXコラム執筆者中村

この記事の執筆者

編集部 中村

旅行業界歴15年以上。自身の国内、海外出張経験を生かして記事を執筆しています。旅行業務取扱管理者資格保持者。

ピカパカ出張DXコラム監修者勝間隆人

監修者

勝間 隆人 (株式会社ピカパカ 執行役員、法人DX推進事業部 部長)

出張管理(BTM)分野で20年以上の経験を持ち、累計400社以上のコスト適正化を支援してきた専門家が監修、解説します。

出張前後にそのまま旅行してもいいか?

結論から言うと、出張の前後に旅行を組み合わせることは可能です。遠方への出張ついでに観光を楽しむことで、移動の負担を減らし、リフレッシュできるというメリットがあります。

ただし、会社によってルールが異なります。黙って旅行や観光を加えるのではなく、社内規程を確認し、公私の区別をはっきりさせることが大切です。

国土交通省が勧める出張前後の観光や延泊(ブレジャー)とは?

近年、国(国土交通省・観光庁)も「新たな旅のスタイル」として、ブレジャー(Bleisure)を推奨しています。

ブレジャーの言葉の意味

ブレジャーとは、「ビジネス(Business)」と「レジャー(Leisure)」を組み合わせた造語です。出張の機会を活用して、その前後で滞在を延長し、観光や休暇を楽しむことを指します。

参考:国土交通省 観光庁「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー

監修者

監修者

国が推奨しているのは、働き方改革や地方創生に繋がるからです。JALなどの大手企業でも導入が進んでおり、優秀な人材の離職防止にも役立っています。

参考:JAL「多様な働き方の推進」(ワークスタイル変革)

出張旅行(ブレジャー)は会社に事前に申請・相談は必要?

事前の申請・相談は必要です。理由は大きく分けて3つあります。

  • 費用の切り分け:どこまでが会社の経費で、どこからが自費かを明確にするため。
  • 安全管理:何かあった時の連絡体制を整えるため。
  • 信頼関係:無断で延泊すると「サボっている」と誤解されるリスクがあるため。

出張旅行(ブレジャー)の交通費や宿泊費は経費にできる?

気になるお金の話ですが、原則として「仕事に必要な分は経費、プライベートの分は自費」が基本です。

項目 経費 考え方
往復の交通費 原則「可能」 旅行しなくても発生する費用のため経費。
出張中の宿泊費 可能 業務に必要な期間分は経費。
延泊分の宿泊費 不可 個人的な旅行(私的利用)のため自己負担。
現地での観光費 不可 個人的な旅行(私的利用)のため自己負担。

参考:国土交通省 観光庁:出張中の私的旅行(ブレジャー)における往復旅費の経費処理Q&A

出張旅行(ブレジャー)中にケガや病気になったら労災は適用?

労災(労働者災害補償保険)は、あくまで「仕事中」の事故に対して支払われます。

  • 出張業務中・移動中:原則として労災の対象になります。
  • プライベートな旅行・観光中:労災の対象外となります。

もし旅行中に大きな怪我をしても、会社の保険は使えません。自分で旅行保険に入るなどの備えが必要です。

出張旅行(ブレジャー)で会社が直面する問題は?

ブレジャーを認める際、管理部門が最も頭を悩ませるのは「公私の境界線」です。曖昧な運用は、後に大きなトラブルを招く可能性があります。

  • 費用の切り分けが複雑:「往復の交通費はどこまで経費?」「土日を挟む場合の宿泊費は?」など、経理処理の判断基準が難しくなります。
  • 労災認定の判断:プライベートな観光中の怪我を会社がどこまで責任を持つべきか、判断が分かれるケースがあります。
  • 管理工数の増大:個別の事情をヒアリングして承認を行うため、従来の出張管理よりも事務作業が増えてしまいます。
監修者

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特に「不公平感」への対策も重要です。出張が多い人だけが旅行できる、という不満が出ないよう、全社的なルール作りが欠かせません。

出張旅行(ブレジャー)がうまくいく仕組み作り

管理部門の負担を増やさず、健全にブレジャーを運用するには「事前のルール化」が最大のポイントです。以下のステップで整備を進めましょう。

① 旅費規程の見直し

「ブレジャーを認める」という文言に加え、費用負担の基準を明記します。例えば、「往復の交通費は会社負担だが、延泊分の宿泊費は全額自己負担とする」などの見直しが必要です。

② 申請フローの固定化

ブレジャー希望者は、通常の出張申請に加えて「休暇利用の期間」と「行動予定」を明記するようにします。これにより、万が一の安否確認もスムーズになります。

③ 手配・精算のシステム化

「仕事分は会社請求、プライベートは個人決済」と、予約の時点で使い分けることで、経理の突合作業を減らすことができます。

仕組み作りの項目 具体的な内容
就業規則の整理 業務終了後の私的行動における自己責任の明確化。
精算ルールの徹底 プライベートな費用を混ぜないための領収書管理ルールの整備。

ブレジャー導入時に旅費規程へ追加すべき文言のサンプル

ブレジャーを社内制度として認める場合、後々のトラブルを防ぐために「旅費規程」へ具体的なルールを明記しておくことが不可欠です。以下に、そのまま使える条文のサンプルを紹介します。

旅費規程・追加条文案

(出張に伴う私的旅行の付帯)

第〇条:社員は、事前の申請により承認を得た場合に限り、出張の前後に私的旅行(以下「ブレジャー」という)を付帯させることができる。

  1. 費用の負担:往復の交通費は、ブレジャーを付帯させない場合の通常の経路に基づき会社が負担する。ただし、ブレジャーに起因して発生した追加の交通費、宿泊費、およびその他の諸費用は全額社員の自己負担とする。
  2. 安全管理と労災:ブレジャー期間中(業務終了後から翌業務開始前、または帰宅まで)の事故、災害については、原則として労災保険の対象外とし、会社は一切の責任を負わない。
  3. 申請手続:ブレジャーを希望する者は、出張申請時にその期間、滞在先、連絡先を明記し、上司の承認を得なければならない。

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出張旅行(ブレジャー)に関するよくある質問

Q. 家族を連れて行ってもいいですか?

A. 会社によりますが、業務に支障が出ない範囲で、宿泊費の差額や交通費を自分で払うなら認める企業が増えています。

Q. 土日の出張の後に月曜を有休にして観光するのはいい?

A. 問題ありません。これが典型的なブレジャーの形です。事前に有休申請をしておきましょう。

まとめ

出張旅行(ブレジャー)は、仕事とプライベートを賢く両立させる素晴らしい仕組みです。

「会社に事前に相談すること」「お金の区別をはっきりさせること」という最低限のルールを守れば、社員の満足度は高まり、リフレッシュした状態でさらなる業務パフォーマンスの向上が期待できます。
「出張管理システム」などの便利なツールを活用して、無駄な精算業務や不正リスクを排除した管理体制を整えましょう。

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