COLUMNピカパカ出張DXコラム
【詳しく解説】出張手当の相場はいくら?国内・海外の宿泊料・日当の実態を徹底解説

「自社の出張手当は妥当か?」「他社はいくら支給しているのか?」
旅費規程の見直しを検討する経理・総務担当者や、自分の手当が世間一般と比べてどうなのか気になる出張者にとって、客観的にデータを確認することは重要です。
本記事では、財務省が令和5年(2023年)8月に公表した「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート」の結果に基づき、出張手当の相場を徹底解説します。上場企業を中心とした551社の回答から得られたリアルな数値を確認してみましょう。
目次
出張日当、宿泊費用の相場
出張における手当は、日当の支給および、宿泊料については実費に対して上限額を設けて支給する形式が最も一般的です。
多くの企業が、役職によって2〜3段階の区分を設けて金額に差をつけています。ここからは出張費用の相場を、国内・海外に分けてみていきましょう。以下の記述は財務省が令和5年(2023年)8月に公表した「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート」の結果に基づいています。
参考:財務省「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート 報告書」
調査概要
- (1) 調査対象者:旅費規程等(国内出張、国内赴任、海外出張、海外赴任等)を有する民間企業 / 上場企業
- (2) 調査方法 :アンケート方式。上場企業リストから3,000社を無作為に抽出
- (3) 有効回収数 :551件
- (4) 調査時期 :令和5年6月19日(月)~7月20日(木)
日当の相場(国内)
国内出張の日当の全体平均は1日あたり2,621円です。支給額の範囲は、最低額の平均が1,780円、役職が高い場合の最高額の平均が3,786円となっています。支給の判断基準は「往復行程(距離)」とする企業が49.4%と最も多く、次いで「宿泊の有無」が44.8%です。出張者にとっては、この金額で現地のランチ代や飲料代、移動中の雑費を賄えるかどうかが、手当の妥当性を判断する目安となります。
| 項目 | 平均支給額 | 最低額〜最高額 |
|---|---|---|
| 国内出張日当 | 2,621円 | 1,780円 〜 3,786円 |
宿泊料の相場と支給方法(国内)
国内宿泊料の支給方法は、「上限付き実費支給」が43.7%、「定額支給」が28.9%、「実費支給」が24.0%となっています。多くの企業で上限は設けつつ実費で精算するという規定が多く採用されています。

また、国内宿泊料の平均額は、10,672円〜11,304円程度が相場です。宿泊費が全国的に上昇している現在、支給上限が1万円を切っている場合は、世間相場と比較して低い水準にあると言えるでしょう。近年のホテル代高騰により、既存の上限額では不足するケースも増えているため、実態に合わせた金額設定が重要です。
| 支給区分 | 全体平均(上限額) | 最高額(平均) |
|---|---|---|
| 上限付き実費支給 | 11,304円 | 14,763円 |
| 定額支給+上限付き | 10,672円 | 13,766円 |
海外出張日当、宿泊費用の相場
海外出張では、現地の物価や為替レートを考慮し、地域別に支給額を分けるのが一般的です。一方、日当は8割以上の企業が「定額支給」を採用しています。支給通貨は円建てが主ですが、約2割強の企業がドル建てを導入しています。円安の影響で実質的な負担が増加しているため、上限設定の適正化が注目されています。
日当の相場(海外)
海外出張の日当は、円建て平均で5,441円です。地域別の平均額(円建て)を比較すると、アジアは5,811円と最も低く設定される一方、北米は7,111円と最も高くなっており、地域によって1,000円以上の開きがあります。渡航先に応じて支給額を変える「地域区分」を導入している企業は全体の約65%に達しており、物価レベルに応じた柔軟な運用が求められています。
| 渡航先 | 日当(円建て平均) |
|---|---|
| アジア | 5,811円 |
| 北米 | 7,111円 |
宿泊料の相場と支給方法(海外)
海外宿泊料の支給方法については「実費支給」とする企業が53.4%と半数を超え、変動の激しい海外コストに柔軟に対応しています。また国や地域によって相場が大きく異なりそれぞれに定額支給の規定を作るのが難しい現状もあります。

海外宿泊料を上限付きで支給する場合、全体平均は約19,355円です。欧州では21,481円〜24,778円、北米では20,800円〜23,678円と、欧米圏では2万円を超える設定が一般的です。円安が進む中、規定の上限額が現地のホテル相場に追いつかず、安全面で不安のあるホテルを選ばざるを得ない事態を防ぐための配慮が必要です。
| 渡航先 | 上限額(円建て平均) |
|---|---|
| アジア | 15,757円〜18,042円 |
| 欧米圏 | 20,800円〜24,778円 |
食事代などその他の手当
出張中の食事代(朝・昼・夕)を日当とは別に支給する企業は少数派で、約9割の企業が「支給しない」と回答しています。これは日当が食事代を兼ねているという考えが一般的だからです。別途支給される場合の平均額は、国内の夕食代で約1,305円、昼食代で約1,007円程度となっています。
出張手当の支給額を決めるポイント
出張手当(日当)の金額を設定する際、最も重要なのは「実費の補填」と「役職間のバランス」の両立です。今回の調査結果でも、多くの企業が「平均的なケースであれば実費をカバーできる水準」を基準に設定しています。具体的には、現地の食事代や移動中の雑費、出張に伴う身体的・精神的負荷への慰労といった側面を考慮し、一般社員と役職者で段階的な差をつけるのが一般的です。
出張日当の支給義務はある?
法律上、会社に従業員への「日当」を支払う義務はありません。しかし、調査では約9割の企業が何らかの形で日当を支給しています。これは、出張に伴う細かな自己負担(飲食代など)を精算する事務負担を軽減し、従業員の満足度を維持するために実務上欠かせない制度となっているからです。支給する場合は、就業規則や旅費規程に明記する必要があります。
出張手当のメリット
出張手当の導入は、従業員と会社の両方に大きなメリットをもたらします。単なるコストではなく、福利厚生と事務効率化の両面で機能します。
従業員の立場
従業員にとって最大のメリットは、実質的な手取り額が増えることです。出張手当は原則として所得税・住民税が非課税となるため、給与として受け取るよりも手元に残る金額が多くなります。また、出張中の慣れない環境での支出を会社がサポートしてくれるという「心理的な安心感」にもつながります。
会社の立場
会社側のメリットは、節税効果と事務負担の軽減です。適正な金額の日当は「旅費交通費」として全額損金算入でき、かつ給与ではないため社会保険料の負担も増えません。また、少額の領収書を一枚ずつチェック・精算する手間が省けるため、経理部門の業務効率が劇的に向上します。
| 対象 | 主なメリット |
|---|---|
| 従業員 | ・非課税のため手取りが増える ・少額領収書の管理・精算の手間がなくなる |
| 会社 | ・法人税の節税(損金算入)と社会保険料の削減 ・経理業務の簡素化・効率化 |
出張手当は課税対象か
出張手当は、その金額が「通常必要と認められる範囲内」であれば、原則として所得税・住民税ともに非課税となります。今回の財務省の調査にある「日当平均2,600円程度」といった世間相場に準じた金額であれば、税務署から否認されるリスクは低いでしょう。ただし、相場から著しく高額な手当を設定した場合は、超過分が「給与」とみなされ課税対象となる可能性があるため、注意が必要です。
実態に即した出張手当の参考料金
財務省が公表したアンケート結果では、国内宿泊料の全体平均が約1.1万円前後、国内日当の全体平均が2,621円というデータが出ています。しかし、これらの数値はあくまで全回答企業の「平均値」であり、実際には「かなり低い値」となってしまうのが実情です。出張者が自己負担を強いられることなく、業務に専念できる環境を整えるためには、平均値に縛られず、現在の市場価格や役職による責任範囲を反映した金額に設定することが企業のガバナンスと従業員満足度の両面において極めて重要です。
以下は実態に即した出張手当の金額です、参考にしてみてください。
国内出張手当の参考料金
| 役職 | 日帰り出張手当 | 宿泊費 |
|---|---|---|
| 社長 | 5,000円 | 15,000円 |
| 役員 | 4,500円 | 13,000円 |
| 管理職 | 4,000円 | 11,000円 |
| 一般社員 | 3,500円 | 9,500円 |
海外出張手当の参考料金
| 役職 | 日帰り出張手当 | 宿泊費 |
|---|---|---|
| 社長 | 10,000円 | 30,000円 |
| 役員 | 9,000円 | 27,000円 |
| 管理職 | 8,000円 | 24,000円 |
| 一般社員 | 7,000円 | 21,000円 |
出張手当を導入するには
トラブルを防ぎ、税務上のメリットを確実に受けるためには、事前の準備が必要です。以下の2ステップを確実に実行しましょう。
出張旅費規程を定める
まずは、「出張旅費規程」を作成・整備します。ここには、支給の定義(例:片道100km以上の移動など)、役職別の支給額、宿泊料の上限などを明確に記載します。規程がない状態で支払うと、税務調査で否認される原因となります。また、全社員に公平に適用される内容にすることが労働法規上も重要です。
申請フローを整備する
規程を定めた後は、運用ルールを構築します。「出張報告書」と「精算書」をセットで運用することが推奨されます。いつ、誰が、何の目的で出張したかを証明する書類を残すことで、税務署に対して手当の妥当性を証明できます。最近では、クラウド型の経費精算システムを導入し、申請から承認、日当の自動計算までをデジタル化する企業も増えています。
出張管理の工数を削減するなら「ピカパカ出張DX」
ここまで出張手当の相場や規程の作り方について解説してきましたが、規程を整えた後に課題となるのが「実際の運用フロー」です。手動での申請・承認や、領収書のチェック、日当の計算といったアナログな業務は、担当者だけでなく出張者にとっても大きな負担となります。
なぜピカパカ出張DXが選ばれるのか?
「ピカパカ出張DX」は、出張の予約から精算、データの管理までをワンストップで効率化できるシステムです。導入することで、以下のようなメリットを享受できます。
- 規程に沿った自動予約: 会社規程の上限額に合わせたホテル予約が可能になり、規程違反を未然に防ぎます。
- 精算業務の自動化: チケット代金の会社一括請求により、立替精算の手間がなくなります。
- 出張データの見える化: 出張状況をリアルタイムで把握でき、ガバナンス強化とコスト削減を同時に実現します。
「規程を作って終わり」にするのではなく、効率の良いシステムで出張管理をスマートにしましょう。

